大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(う)593号 判決

被告人 齊川香

〔抄 録〕

職権をもつて按ずるに、原判決には累犯となる前科として(1)昭和二八年五月二二日墨田簡易裁判所において窃盗罪により懲役一年、三年間執行猶予(2)昭和三〇年二月二四日江戸川簡易裁判所において窃盗罪により懲役一年六月と摘示したのみで、これに対し刑法第五七条第五九条を適用しているが、再(累)犯加重の要件としては同法第五六条に示すように、懲役に処せられた者その刑の執行を終り又は執行の免除ありたる日より五年内に更に罪を犯し有期懲役に処すべき場合であることを必要とし、執行猶予その他単に有罪判決の言渡があつただけでは再(累)犯加重をすることはできないのである。然るに原判決は前叙のように執行猶予又は懲役刑の言渡があつた旨摘示しただけで、(1)の執行猶予が取り消されその執行を受け終つたかどうか(2)の刑の執行を受け終つたかどうかについて何等摘示していないから、結局原判決には理由不備の違法があり、原判決は破棄を免れない。よつて爾余の論旨に対する判断を省略し、刑事訴訟法第三七八条第四号第三九七条第一項に則り原判決を破棄し、同法第四〇〇条但書により、当裁判所において更に判決する。

(大塚 本田 渡辺辰)

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